健康寿命を延伸し
活力あふれる社会を
代表取締役
益満 優様
1981年3月、鹿児島県内の大学を卒業後、同年4月に大正製薬株式会社に入社。89年には富山化学工業株式会社に移られました。2003年4月、大正製薬株式会社と富山化学工業株式会社の医薬品部門が合併し発足した大正富山医薬品株式会社に入られました。2016年に株式会社さくらホスメディカルに入社され、株式会社TriGoを21年に設立し現在に至ります。
ー事業紹介
私たちは鹿児島大学認定のベンチャー企業で、桜島大根を原料としたトリゴネリンをOEM製造し、健康食品としてカプセルとスティックゼリータイプの商品を開発・販売しています。トリゴネリンは他の農産物より桜島大根に多く含まれ、血管機能を高める作用が確認されており、発見者の加治屋研究教授の論文がアメリカ化学会の学術誌でも紹介されました。
日本人の平均寿命は世界のトップクラスですが、健康寿命との差は10年以上あり、血管のしなやかさが左右します。健康食品メーカーなどへトリゴネリンの提供を通し、健康寿命の延伸と内臓美化を推進し、健康「不安」を「安心」に変えたいと思っています。
ー過去にあった危機とその克服
現在もパートナー企業の支援を受けながら、トリゴネリンの普及のため継続して研究開発を行っていますが、創業して間もない3ヵ月で最大のピンチを迎えました。研究開発を理解してもらい、最も力を貸してくれていた出資者が退任され、協力すると思われた金融機関も撤退していきました。
ビジネスモデルとして、販路を含めた初期の計画が大き過ぎたことが主な原因です。その後、経営は厳しい状況に陥りましたが、多くの方とのご縁に支えられ、創業から3年目を迎えることが出来ました。日々の出会いとつながりに感謝しかありません。
ベンチャー企業のスタートアップには、企業を育てる外部の投資や国の援助が必要です。鹿児島など一次産業が関わる基礎研究にも手を差し伸べて欲しいと感じています。
ー社長が大切にされていること
多くの深刻な課題が地球規模で目前に迫っており、この地球を汚してはならないと強く感じています。自然由来の恵みを活用し、人や動物に良い活性を生む成分を普及させ、「より健康的に人生を楽しみながら、最後まで生きることのお手伝い」が私たちのテーマです。
企業には社会的責任が求められる時代です。私自身、社内外に対して「正直・勤勉・熱心」であるかをいつも問いかけています。「あらゆることを社内外に隠さない」ことが社風になれば良いと思っています。
ー社長にとって経営とは
企業は生き物であり、発足した時から公共性、社会性を有しており、私物では無いと考えています。社会に役立つ企業が、社会から利益を享受できるのだと思います。「社会善」を実践する企業や組織でなければ生き残れない環境になりつつあります。
企業活動に大きな変革が求められる今だからこそ、一人ひとりが創造的な仕事に取り組むことで時代を切り拓く「社会善」を生み、その意義を高め、拡大させ、新たな価値を創造し続けることが重要だと考えています。
ー医療人材紹介事業「よかルート」にひと言
私は調剤薬局の代表も務めていますが、人材不足は医療福祉全般における深刻な課題です。これから超高齢化社会を迎えるにあたり、ますますニーズは高まり業界の根幹を揺るがすことが予測されています。「よかルート」さんの取り組みが、少しでも鹿児島の現状を変える力になることを心から期待しています。
インタビュアーの声
取材に向かったのは、鹿児島大学郡元キャンパス内にある産学交流プラザで、大学の研究機関ならではの独特な香りがする場所でした。益満優代表も学者肌で、トリゴネリンの可能性について熱く語っていただきました。鹿児島県の特産品である桜島大根を有効活用することで、地域の資源循環型社会への貢献と活性化を目指しておられます。