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代表取締役社長
池畠 丈二 様
2007年に大学を卒業され翌年、薩摩川内市の高等学校にインテリア科の教員として着任されました。授業以外にも生活指導や舎監長、部活指導など生徒との関わりに喜びを感じる日々でしたが、ご結婚され子供さんも生まれた頃、現池畠会長から会社を継いで欲しいと打診され、悩みぬいた末に教員の夢をあきらめ2015年に入社。16年に取締役、17年に常務取締役、創業50周年のタイミングで21年2月代表取締役社長に就任されました。スポーツ観戦がお好きで特にサッカーやハンドボール、バレーボールに興味がありプレーも楽しまれています。
ー事業紹介
1970年12月、城山団地に八百屋として1号店を構えました。時代の流れとともにスーパーマーケットへ変遷し、現在は鹿児島市内に4店舗と弁当仕出しのセントラルキッチン、ニシムタ加世田店に青果店を出店しています。
2010年4月のアミュプラザ店オープンは、おもしろい取り組みだったと思っています。今では毎週水曜日の「アミュチカデー」に合わせて実施する青果市は、新鮮な野菜などをお得に求めるお客さまで大賑わいです。お客さまに食品を中心にお届するのが生業ですが、日頃から健康的で安心で何より「おいしさ」を追求しています。
ー過去にあった危機とその克服
小売業は法改正や仕入れなど外的要因に影響される業界ですが、組織運営をはじめ内的要因にも悩みを抱えていました。2015年4月に30歳で入社。それまで7年間は高等学校の教員で天職だと思っていましたし、入社に備えていたわけでもありませんので、小売業の知識など全く持ち合わせていませんでした。とは言っても一般的な中途入社とは色々な意味で異なります。覚悟はしていたものの暗中模索の日々が続きました。
現場からたたき上げの父は、従業員からの信頼が厚い社長でした。私も現場を経験しましたが、一朝一夕に商売のコツが身につくものではありません。入社して間もなく役員に就任し経営者としての判断や指示を求められましたが、社員の共感を得るには苦労はしました。
そして、創業50周年を機に代替わりすることになり、入社6年弱で社長に就任しました。これまでの歴史を継承し運営していくことで精いっぱいでしたが、今期9月からの新年度を迎えるにあたり、経営計画の改定や経営理念をブラッシュアップして、やっと自分らしさを出せるようになってきました。
ー社長が大切にされていること
意識しているキーワードは「あたたかさ」です。惣菜は素材を切ったり調理したり全て手作りです。おかげさまで既製品にはない家庭の味が表現できていると思っています。また、接客も画一化されたマニュアルは重視せず、お話好きな方、商品選びに熱心な方など性格に合わせて対応しており、従業員一人ひとりがお客さまとの距離感を大切にしています。
惣菜バイキングは城山ストアーの看板商品で強みでもあります。販売を始めたのは25年くらい前だと思いますが、まだ一般的ではありませんでした。そこで売れる仕組みづくりとして、「好きなものを好きなだけ」をコンセプトにバイキングを導入し成功することができました。商品は通常40~60品をご準備しています。お客さまが楽しめるよう季節の食材に合わせてラインアップを変えており、調理部門のスタッフが創意工夫して腕を振るっています。
ー社長にとって経営とは
共働きや一人世帯の増加など社会環境の変化もあり、惣菜は時代のニーズにマッチしご家庭のお手伝いをしていると実感しています。私は城山ストアーを核に「町づくり」を目指しています。ご高齢やお忙しい世帯に安心・安全な「食」を提供し、お買い物などでストアーに集まる人たちのコミュニティーの場になればと思っています。
子どもたちには食育を通して正しい情報を伝え、一次産業の大切さに気づいて欲しいですし、地域の農家さんから仕入れるなどの連携も可能です。そうすることで、そこに住みたい理由も生まれてきます。「食」を通じて「人」をつなぐことが「町づくり」になると考えています。
ー「よかルート」へひと言
高齢化となった現代社会の課題解決の一手となることを期待しています。雇用のマッチング、待遇改善など医療業界だけではなく、多くの事業においても同じことが言え解決の先に社会貢献と明るい未来が待っていると思います。
インタビュアーの声
商品を販売するだけではなく、地域密着型のスーパーマーケットだからこそできる役割を見極めようとされています。お話の端々に子どもや地域のとの関わりを意識した話題も多く、前職の教員としての目線を生かしたい思いが伝わってきました。また、サッカー型経営と呼んで、従業員それぞれの立場での意見や判断を尊重する経営方針に若き社長の社員を大切にする「あたたかさ」を感じました。